食べる幸せをサポートする包括的支援スキル ~多職種が協同できるKTバランスチャート~

配信者 小山珠美・一瀬浩隆・山下ゆかり・髙橋瑞保・竹市美加・金志純

歯科>訪問歯科・チーム医療>医療連携

プログラム

演題 講師
① 口から食べる幸せをサポートする包括的スキル ~KTバランスチャートの活用と支援~ 小山 珠美 先生
(看護師)
② 「口から食べる幸せ」を支える〜歯科からのアプローチ〜  一瀬 浩隆 先生
(歯科医師)
③ KTBCを活用した在宅摂食嚥下支援の実践―口から食べる関わりを継続した一例― 山下 ゆかり 先生
(歯科衛生士)
④経口摂取を禁止された認知症高齢者が再び口から食べる喜びを得られた事例 髙橋 瑞保 先生
(管理栄養士)
⑤KTBCを活用して、良好な機能を引き出し食べる楽しみをつなぐ 竹市 美加 先生
(看護師)
⑥ 子どもの食べる可能性を引き出すための、KTBC小児版を活用した事例 金 志純 先生
(看護師)
ディスカッション

演題詳細

① 口から食べる幸せをサポートする包括的スキル ~KTバランスチャートの活用と支援~/小山珠美 先生(看護師)

超高齢社会の進展に伴い、寿命は延びている一方で、口から食べることが困難な要介護高齢者が増加しています。こうした課題に対応するため、2015年に「口から食べる幸せをサポートするための包括的支援スキル」として、KTバランスチャート®(KTBC®)を開発・発表しました。KTBCは単なる部分的評価ツールではなく、食べることを通じて幸福に生きたいと願う当事者と家族、そして支援者とをつなぐための包括的支援ツールです。多職種連携を促進し、簡便で視覚的に理解しやすい構成と共に、支援スキル、当事者中心の視点、思いやりの要素を備えています。これらにより、当事者の可能性を引き出し、願望を実現できる支援を目指しています。 本講座でKTBCの有用性と展開方法について理解を深め、実践や研究などで活用していただけると幸いです。

②「口から食べる幸せ」を支える〜歯科からのアプローチ〜/一瀬浩隆 先生(歯科医師)

訪問歯科では、義歯作製や抜歯といった基本的な歯科治療に加え、誤嚥性肺炎の予防や嚥下障害に対する口腔ケア、摂食嚥下リハビリテーションの役割がますます重要になっています。高齢者や全身疾患を抱える方にとって、口腔内環境の悪化は全身状態に直結するため、歯科の関与は欠かせません。さらに歯科は、単に口腔機能を回復させるだけでなく、「口から安全に、そして楽しく食べ続ける」ための環境づくりを提案し、多職種と連携しながら支援することが求められています。これまでの訪問診療の経験を踏まえ、今後さらに必要とされる「口から食べる幸せを支える歯科」の役割についてお話ししたいと考えています。

③KTBCを活用した在宅摂食嚥下支援の実践―口から食べる関わりを継続した一例― /山下ゆかり 先生(歯科衛生士)

在宅療養における摂食嚥下支援では、口から食べていただくための関わりを継続する視点が重要になります。本事例は、髄膜腫術後の脳梗塞により嚥下障害を呈し、胃ろう管理となった高齢女性に対し、KTバランスチャート(KTBC)を参考に摂食機能・姿勢・栄養・生活背景を整理しながら、「どのように食べるか」を支え続けた一例です。経口摂取の再開を目標に、食事環境や介助方法の調整を行い、食べる経験を重ねていった結果、摂取量や活動性の向上がみられました。その後、状態に応じて義歯作成を含む支援を継続し、最終的に胃ろう抜去に至りました。本症例を通して、KTBCを拠り所として関わりを継続することが、在宅や医療現場において「食べる」を支え続ける実践につながることを紹介させていただきます。

④ 経口摂取を禁止された認知症高齢者が再び口から食べる喜びを得られた事例 /髙橋瑞保 先生(管理栄養士)

人生の終の住処として選んだ場所で、「認知症だから食べられなくても仕方ない」「誤嚥性肺炎の危険があるから口から食べることは禁止」などと言われたら・・・諦めきれないのはご本人だけではなくご家族も同じだと思います。そして、施設職員も本当は食べさせたい、でも怖い、どうしたら良いのか分からないという場面にしばしば遭遇します。今回、VEの結果禁食を言い渡された認知症高齢者に、KTBCを用いて強みを活かしたアプローチをしたことで再び口から食べる喜びを得られた事例をご紹介します。なお、本事例は「口から食べる幸せをサポートする包括的スキル−KTバランスチャートの活用と支援第3版」に掲載されています。

⑤KTBCを活用して、良好な機能を引き出し食べる楽しみをつなぐ /竹市美加 先生(摂食・嚥下障害看護認定看護師)

摂食嚥下障害を呈すると、良好な機能を有していても、誤嚥性肺炎などリスクばかりが注視され、経口摂取を禁止されることがあります。食べようとする頑張り、少しでも食べることを楽しみにしてほしいと望む家族の思いを否定され、家族が自分達で頑張るしかない状況もみられます。しかし、包括的視点を持ち知識・技術を活用してケアすることで、食べる希望につながる場合も多く、関わる医療・介護福祉者が食べることを当たり前としてとらえ、希望につなげる知識・技術を持つことが重要となります。今回、多職種で連携しながらによる包括的食支援をおこない、本人・家族の頑張りに寄り添った事例を紹介させていただきます。

⑥子どもの食べる可能性を引き出すための、KTBC小児版を活用した事例 /金志純 先生(摂食・嚥下障害看護認定看護師)

医療的ケアや発達障害を持つ子どもたちへの食事支援において、最も重要なことは、<食べることが楽しく心地よい>気持ちを育むことです。多様な疾患から医療デバイスが多いこと、指しゃぶりやおもちゃ舐めなどの経験が乏しいことで、口腔の感覚や運動発達に影響を及ぼします。加えて、誤嚥リスクが高く不安定な呼吸状態での哺乳や食事、親子ともにストレスで強制的な環境での食事経験は、「口や鼻、喉に入るものが不快なもの」という認識になります。子どもとその家族へのケアを行うためには、専門性のみならず包括的視点を持ったケアが重要と考えます。今回、KTBC小児版を活用した実際の事例について、紹介させていただきます。

講師紹介

小山 珠美 先生

NPO法人 口から食べる幸せを守る会®理事長/JA神奈川県厚生連伊勢原協同病院 摂食機能療法室/新見公立大学健康科学部 臨床特命教授

略歴などはこちら +
学 歴
1978年3月:国立病院機構熊本医療センター付属看護学校卒業 (前 国立熊本病院付属看護学校)
1986年3月:神奈川県立保健福祉大学実践教育センター 教員養成課程 看護教員コース卒業(前 神奈川県立看護教育大学校 )
2005年3月:放送大学大学院 文化科学研究科 環境システム科学群卒業(学術修士)

職 歴
1978年4月:神奈川県総合リハビリテーション事業団 神奈川リハビリテーション病院 看護師
1987年4月:同事業団 厚木看護専門学校 看護第一学科 専任教員
1995年4月:同事業団 七沢リハビリテーション病院脳血管センター 看護師長
2001年4月:同事業団 神奈川リハビリテーション病院 看護師長
2005年4月:愛知県看護協会 認定看護師教育課程「摂食・嚥下障害看護」主任教員(至 2006年3月) 2006年~非常勤講師
2006年4月:社会医療法人社団 三思会 東名厚木病院
2015年4月:JA 神奈川県厚生連伊勢原協同病院 摂食機能療法室 現在に至る
2022年4月:公立大学法人新見公立大学健康科学部 臨床特命教授(兼務)

社会活動
NPO法人口から食べる幸せを守る会 理事長(2013年6月)

資 格
看護師、介護支援専門員、看護学校専任教員、日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士、日本終末期ケア協会終末期ケア専門士

テレビ出演
1)NHKニュースウッチ9 2013 年 7 月
2)NHKゆうどき 2014 年 12 月
3)NHKプロフェッショナル仕事の流儀-食べる喜びを、あきらあめない- 第 294 回 2016 年 5 月 16 日放送 ほか

執 筆
執筆一覧はこちら

一瀬 浩隆 先生

あい訪問歯科クリニック 院長/医療法人ENGAGE 理事長/NPO法人 口から食べる幸せを守る会®/日本摂食嚥下リハビリテーション学会 認定士/歯科医師

略歴などはこちら +
略 歴
2006年:日本大学松戸歯学部卒業
2007年:鶴見大学歯学部病院歯科口腔外科複合型臨床研修終了
2007~2011年:一般歯科医院勤務
2011年:東日本大震災での医療ボランティア
2012年:医療法人憲仁会 山谷歯科医院勤務 /医療法人社団三思会 東名厚木病院 摂食嚥下療法部勤務
2013年:気仙沼市立本吉病院 非常勤歯科医師
2015年:一関市国民健康保険藤沢病院 非常勤歯科医師
2016年:あい訪問歯科クリニック 院長
2020年:医療法人ENGAGE 理事長

山下 ゆかり 先生

医療法人社団永研会 ちとせデンタルクリニック 他(訪問歯科・摂食嚥下支援)/NPO法人 口から食べる幸せを守る会® 理事/歯科衛生士

略歴などはこちら +
略 歴
1986年:東京都歯科医師会付属歯科衛生士学院 卒業
1987年:医療法人社団明徳会 サンデンタルクリニック 勤務
1989年:羽田歯科医院 勤務
2000年:松井療術院 勤務
2002年~:医療法人社団永研会 こまい歯科 勤務
    同法人 訪問診療部歯科
    ちとせデンタルクリニック(現在に至る)

所 属
医療法人社団永研会 ちとせデンタルクリニック 訪問診療部 歯科 歯科衛生士長
NPO法人 口から食べる幸せを守る会 理事
KTSM実技認定者
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
認知症ケア指導管理士
終末期ケア上級専門士

著 書
『多職種で取り組む食支援』
『歯科衛生士のための訪問歯科ハンドブック』
『言語聴覚士が行う口腔ケア』 他

髙橋 瑞保 先生

合同会社訪問栄養ステーションえん 代表/NPO法人 口から食べる幸せを守る会®理事/管理栄養士

略歴などはこちら +
略 歴
平成10年4月:山形県立こころの医療センター
平成15年4月:地方独立行政法人山形県・酒田市 病院機構 日本海総合病院
平成25年4月:山形県立新庄病院
平成28年4月:山形県立中央病院
平成30年4月:医療法人はちのへファミリークリニック 企画連携室副室長
令和2年9月:医療法人はちのへファミリークリニック 退職
令和2年10月:合同会社訪問栄養ステーションえん 設立、代表就任

竹市 美加 先生

訪問介護ステーションたべる管理者/NPO法人 口から食べる幸せを守る会® 副理事長/摂食・嚥下障害看護認定看護師

略歴などはこちら +
略 歴
平成7年4月~平成12年12月:小野市民病院 勤務
平成13年1月~平成19年5月:財団法人神戸市地域医療振興財団西神戸医療センター 勤務
平成19年11月~平成26年3月:広島県厚生農業共同組合連合会廣島総合病院勤務  
平成22年:摂食・嚥下障害看護認定看護師免許取得
平成26年11月~:ナチュラルスマイル西宮北口歯科 
平成30年9月:訪問看護ステーションたべる 開設

金 志純 先生

株式会社リニエR 副看護部長/CAF MOG 代表/NPO法人 口から食べる幸せを守る会®理事/摂食・嚥下障害看護認定看護師

略歴などはこちら +
略 歴
2002年4月~:社会福祉法人 芳友 神戸重症心身障害児者施設 にこにこハウス
2006年4月~:西宮市社会福祉協議会 青葉園
2010年6月~12月:日本赤十字 広島看護大学 摂食・嚥下障害看護認定教育課程
2013年5月~:日本赤十字 広島看護大学 摂食・嚥下障害看護認定教育課程 専任教員
2014年4月~:社会福祉法人 鶴風会 東京小児療育病院 
2021年4月~:(株)リニエRに入職し、主に訪問看護業務や社内教育など実施
2023年6月:兼業として、個人事業CAF MOG(きゃふもぐ)を設立し、食事ケアを中心と したプライベートナース事業や講演、執筆など行っています。

主な執筆(共著)
・医学書院「口から食べる幸せをサポートする包括的スキ~KTバランスチャートの活用と支援~第3版 」
・へるす出版「ケアの基本がわかる重症心身障害児の看護」など。

開催概要

開催日時 4月18日(土)19:00~21:00(120分)
4月19日(日)19:00~21:00(120分)
5月16日(土)19:00~21:00(120分)
5月17日(日)19:00~21:00(120分)
※各回とも同じ内容です。いずれかの日程をお選びください。
※アーカイブ配信はございません。当日限定です。
開催方式 オンライン配信(Zoom)
受講料 一般:2,200円(税込) / プレミアム会員:無料
参加対象 歯科医師、歯科衛生士をはじめとする医療・介護専門職及び従事者

お申し込み

いずれかご希望の日程を選択してください

※各回とも同じ内容です。アーカイブ配信はございません
※職種問わず受講料は同料金となります。
※お客様都合によるキャンセル・返金はお受けできません。

※「KTバランスチャート」および「KTBC」は、特定非営利法人口から食べる幸せを守る会の登録商標です。


おすすめセミナー

お問い合わせ

お問い合わせ先:IOCiL運営事務局
E-mail:support@iocil.jp TEL:03-6891-7110